【2026年版】特定扶養親族控除が大きく変わった|大学生の子がいる親が知っておくべき改正ポイントを解説

年収の壁・扶養

この記事はこんな人におすすめ

  • 19歳〜22歳の大学生の子どもがいる
  • 子どものアルバイト収入が増えて、扶養から外れるか心配
  • 特定扶養親族控除と特定親族特別控除の違いがわからない
  • 2026年の年末調整で何を申告すればいいか知りたい

大学生の子どもがアルバイトをしている親御さんに、ぜひ知っておいていただきたい税制改正があります。

「子どもの年収が103万円を超えそうで、扶養控除がなくなってしまう……」

そんな心配をしていた方に朗報です。2026年から、大学生年代の子どもを持つ親の扶養控除まわりのルールが大きく改善されました。

この記事では、給与計算ソフトのサポート担当として6年間・数千件の問い合わせ対応をしてきた経験をもとに、改正のポイントをわかりやすく解説します。


目次

  1. そもそも特定扶養親族控除とは?
  2. 改正前の問題点「もう一つの103万円の壁」
  3. 2026年からの変更点
  4. 特定親族特別控除とは?控除額の早見表
  5. 年末調整で何をすればいいか
  6. よくある質問
  7. まとめ

1. そもそも特定扶養親族控除とは?

まず基本から整理しましょう。

特定扶養親族とは、19歳以上23歳未満の扶養親族(主に大学生年代の子ども)のことです。

この年代の子どもを扶養している親は、所得税の計算において63万円を所得から差し引ける「特定扶養親族控除」が受けられます。

63万円の控除は非常に大きな金額です。具体的にどのくらい節税になるか見てみましょう。

親の所得税率節税額(年間)
5%31,500円
10%63,000円
20%126,000円
23%144,900円

所得税率20%の方なら、年間12万円以上の節税になります。これに加えて住民税の控除(45万円)も受けられるため、合計で相当な節税効果があります。


2. 改正前の問題点「もう一つの103万円の壁」

実はこれまで、特定扶養親族控除には大きな問題がありました。

子どもの年収が103万円を超えた瞬間に、親の63万円の控除がまるごとゼロになるという「崖」が存在していたのです。

これが「もう一つの103万円の壁」と呼ばれていたものです。

具体的にどれほどの影響があるか見てみましょう。

【改正前のシミュレーション】

子どもの年収親の控除額親の税負担への影響
103万円以下63万円(満額)通常通り
103万円超0円所得税率20%なら12万6千円増加

たとえば子どもが時給1,200円のアルバイトで、少し多く働いて年収が103万円をほんの数万円超えただけで、親の税負担が一気に10万円以上増えてしまう可能性がありました。

これでは子どもが「働き控え」をせざるを得ない状況です。「もっと働きたいのに、親の税金が上がるから我慢する」という理不尽な状況が生まれていました。


3. 2026年からの変更点

この問題が、令和7年(2025年)の税制改正によって大きく見直されました。2026年1月以降の所得・2026年の年末調整から適用されます。

変更点は大きく2つです。

変更① 満額控除の上限が103万円→150万円に引き上げ

改正前は子どもの年収が103万円を超えると控除がゼロになっていましたが、改正後は150万円まで63万円の控除が満額受けられるようになりました。

時給1,200円で週3日・1日6時間働いても、年収はおよそ112万円程度です。これまでは103万円の壁を超えていましたが、改正後は満額控除が受けられます。

変更② 150万円超でも段階的に減少する新制度が創設

さらに、子どもの年収が150万円を超えた場合でも、**188万円まで控除が段階的に減る「特定親族特別控除」**という新しい制度が創設されました。

改正前のように「超えた瞬間にゼロ」ではなく、緩やかに減っていく仕組みになったことで、働き控えを防ぐ効果が期待されています。


4. 特定親族特別控除とは?控除額の早見表

改正後の控除額をまとめた早見表です。

子どもの年収(合計所得金額)親が受けられる控除額
123万円以下(合計所得58万円以下)63万円(特定扶養親族控除・満額)
123万円超〜150万円以下63万円(特定扶養親族控除・満額)
150万円超〜160万円以下63万円(特定親族特別控除)
160万円超〜175万円以下50万円(特定親族特別控除)
175万円超〜188万円以下38万円(特定親族特別控除)
188万円超〜0円(対象外)

※金額は所得税の控除額です。住民税は別途計算が異なります。

改正前と改正後の比較

改正前改正後(2026年〜)
満額控除を受けられる子の年収上限103万円150万円
上限を超えたらどうなる?即ゼロ188万円まで段階的に減少
控除額63万円63万円(段階的に減少)

5. 年末調整で何をすればいいか

子どもの年収が123万円以下の場合

これまでと同様に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に特定扶養親族として子どもの情報を記入します。

子どもの年収が123万円超〜188万円以下の場合

「給与所得者の特定親族特別控除申告書」という新しい書類が必要になります。

2026年の年末調整から導入される書類で、会社から配布されます。書類に子どもの合計所得金額の見積額を記入して提出してください。

注意点:子どもの年収を正確に把握しておく必要があります。アルバイトの収入だけでなく、複数のバイト掛け持ちや、雑所得がある場合は合算した金額を確認しましょう。

給与計算担当者の方へ

2026年の年末調整では、新しい書類「特定親族特別控除申告書」が追加されます。従業員から提出された書類をもとに、年末調整の計算に正しく反映させる必要があります。

給与計算ソフトを使用している場合は、2026年の年末調整に対応したアップデートが必要になる可能性があります。ソフトのサポート窓口や最新情報を確認しておきましょう。


6. よくある質問

Q. 子どもが複数いる場合はどうなりますか?

子どもそれぞれについて判定します。19歳〜22歳の子どもが2人いる場合は、それぞれの年収に応じて控除額を計算します。

Q. 子どもが就職して途中から扶養を外れた場合は?

その年の12月31日時点の状況で判断します。年の途中で就職して収入が増え、年収が188万円を超えた場合は控除対象外になります。年末調整の際に扶養の状況を確認しましょう。

Q. 大学院生も対象になりますか?

年齢が19歳以上23歳未満であれば、大学院生も特定扶養親族の対象になります。ただし子どもの年収要件は同様に適用されます。

Q. 住民税の控除額も変わりますか?

住民税の特定扶養親族控除額は45万円で、所得税とは異なります。特定親族特別控除の住民税版については、各自治体の課税計算により異なりますので、詳細は国税庁・総務省の最新情報をご確認ください。


7. まとめ

この記事で学んだことを振り返ります。

特定扶養親族控除は63万円:19歳〜22歳の子どもを扶養している親が受けられる大きな控除

改正前は103万円の壁があった:超えた瞬間に控除がゼロになる「崖」が問題だった

2026年から満額控除の上限が150万円に引き上げ:子どもが少し多く働いても親の控除が減らなくなった

150万円超でも188万円まで段階的に減少:新設の「特定親族特別控除」で急激な負担増を防止

年末調整で新しい書類が必要:子の年収が123万円超の場合は「特定親族特別控除申告書」を提出


大学生の子どもを持つ親御さんにとって、今回の改正はとてもありがたい内容です。2026年の年末調整でしっかり活用してください。

給与計算担当者の方は、新しい書類への対応と給与計算ソフトのアップデートを忘れずに確認しておきましょう。


本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。税制は改正されることがありますので、最新情報は国税庁の公式サイトや専門家にご確認ください。

執筆者:給与計算ソフトのサポート担当として6年間・数千件の問い合わせ対応の経験をもとに執筆

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