【2026年版】給与明細に「子ども・子育て支援金」が増えた理由とは?仕組み・負担額・使い道を全部解説

給与明細の見方

この記事はこんな人におすすめ

  • 2026年5月以降の給与明細に見慣れない項目が増えていて気になっている
  • 「子ども・子育て支援金」が何なのか全くわからない
  • 子どもがいないのになぜ引かれるのか疑問に思っている
  • 「子ども・子育て拠出金」との違いを知りたい

2026年5月の給与日、明細を見て「あれ、これなんだ?」と思った人がいるかもしれません。

健康保険料の欄のあたりに、見慣れない項目が増えている。「子ども・子育て支援金」——そんな名前の天引きが、2026年4月分の給与から新たに始まりました。

「聞いたことがない」「なんで引かれてるの?」「子どもがいない自分には関係ない話じゃないの?」

この記事では、給与計算ソフトのサポート担当として6年間・数千件の問い合わせ対応をしてきた経験をもとに、そんな疑問に全部お答えします。


目次

  1. 子ども・子育て支援金とは?3行で理解する
  2. 実際いくら引かれる?負担額の目安
  3. 「子ども・子育て拠出金」との違い
  4. 集めたお金は何に使われる?
  5. 給与計算担当者が知っておくべきこと
  6. よくある質問
  7. まとめ

1. 子ども・子育て支援金とは?3行で理解する

難しそうな名前ですが、本質はシンプルです。まず3行でまとめます。

  • 少子化対策のために2026年4月に新設された制度
  • 働く人全員(と企業)が、医療保険料と一緒に負担する
  • 集めたお金は、児童手当の拡充や保育支援などに使われる

背景にあるのは、政府が2023年12月に打ち出した「こども未来戦略」の「加速化プラン」です。少子化に歯止めをかけるため、子育て支援の予算を大幅に拡充する——その財源として、全世代・全企業から広く集める仕組みが作られました。それがこの「子ども・子育て支援金」です。


2. 実際いくら引かれる?負担額の目安

「でも、いくら取られるの?」というのが一番気になるところですよね。

協会けんぽ(全国健康保険協会)加入者の場合、2026年度の支援金率は0.23%とされています。これは健康保険料と一緒に給与から天引きされます。

具体的な月額の目安はこのとおりです。

月給月の負担額(目安)年間負担額(目安)
20万円約460円約5,520円
30万円約690円約8,280円
40万円約920円約11,040円
50万円約1,150円約13,800円

※協会けんぽ加入・2026年度の支援金率0.23%をもとにした従業員負担分の目安。加入する健保組合や標準報酬月額によって異なります。事業主も同程度を別途負担します。

月給30万円の人であれば、月に約690円の負担です。コーヒー1杯分ほどの金額といえます。

給与明細への記載について 給与明細上は健康保険料・介護保険料(40歳以上)と合算して記載されるケースもあるため、「支援金」という項目が単独で見えないこともあります。明細の健康保険料の金額が増えたと感じたら、支援金が加算されている可能性があります。


3. 「子ども・子育て拠出金」との違い

ここで少し驚く話をします。

実は「子ども・子育て支援金」とよく似た名前の制度が、2015年から存在しています。「子ども・子育て拠出金」という制度です。

「なんで似たようなものが二つあるの?」と感じるのは当然です。それぞれの違いを整理します。

子ども・子育て拠出金子ども・子育て支援金
開始時期2015年〜2026年4月〜
誰が払う?企業だけ(従業員負担なし)企業+従業員(全世代)
徴収方法厚生年金保険料と一緒に健康保険料と一緒に
2026年度の料率0.36%(据え置き)0.23%(協会けんぽ目安)
給与明細への記載載らない(会社負担)天引きとして記載される

最大の違いは「従業員が負担するかどうか」です。

拠出金は2015年から存在していましたが、企業だけが払う仕組みだったため、給与明細には一切登場しませんでした。だから多くの会社員が「そんな制度があったの?」と初めて知るわけです。

一方、今回新しくできた支援金は従業員も負担するため、給与明細に現れます。「知らなかった制度が突然天引きされ始めた」と感じるのはこのためです。

なお、両制度は将来的に統合・移行される予定ですが、当面は二つが並行して徴収される形が続きます。


4. 集めたお金は何に使われる?

「子どもがいない自分には関係ない」と感じている人も多いかもしれません。でも、少し立ち止まって考えてみてください。

少子化が進めば、将来の労働力・税収・社会保障の担い手が減ります。それは子どもがいない人にとっても、じわじわと生活に影響してくる問題です。支援金の考え方は「自分の子どもがいるかどうかに関係なく、社会全体で子育てを支える」というものです。

具体的には、集めたお金は以下のような支援に使われます。

使い道内容
児童手当の拡充高校生年代までの手当支給。所得制限の撤廃と給付額の引き上げ
保育所・こども園認可保育所や認定こども園の運営費補助。待機児童対策
病児・延長保育子どもが病気のときや残業時にも利用できる保育の整備
育休給付の充実育児休業中の給付金引き上げ。男性育休取得の後押し
学童保育(放課後)共働き家庭の小学生を放課後に預かる放課後児童クラブ
産後ケア・相談支援出産後の母子への訪問支援・育児相談・産後ケアセンター整備

政府は「実質負担ゼロ」という表現を使っています。これは「支援金による社会保険料の増加分を、別途の社会保険料の抑制で相殺する」という意味です。ただしこの説明には異論もあり、実際の家計への影響については議論が続いています。


5. 給与計算担当者が知っておくべきこと

給与計算を担当している方向けに、実務上のポイントをまとめます。

控除の処理方法

子ども・子育て支援金は健康保険料と一緒に徴収されます。給与計算ソフトを使用している場合は、2026年4月以降のアップデートで自動的に対応されているケースがほとんどです。ソフトのバージョンアップが完了しているか確認しましょう。

給与明細の表示

支援金を給与明細に単独項目として表示するか、健康保険料と合算して表示するかは、ソフトの設定や会社の方針によって異なります。従業員から「明細に新しい項目が増えた」「健康保険料が上がった」という問い合わせが来ることが予想されます。事前に説明できるよう準備しておきましょう。

事業主負担分

従業員の負担分と同程度を、会社も別途負担します。給与計算の法定福利費の計上に漏れがないよう確認が必要です。


6. よくある質問

Q. パート・アルバイトも引かれますか?

健康保険に加入していれば、パート・アルバイトの方も支援金の負担があります。健康保険の被保険者であれば、雇用形態に関わらず対象です。ただし扶養に入っている方(被扶養者)は、自分では保険料を払わないため、支援金も引かれません。

Q. 子どもがいなくても引かれるのですか?

はい、引かれます。子どもの有無に関わらず、健康保険の被保険者であれば全員が負担対象です。これは健康保険料が「自分が病気になったときのため」だけでなく「社会全体の医療を支えるため」に集められているのと同じ考え方です。

Q. 将来的に負担額は増えますか?

政府の計画では、2026年度の0.23%から段階的に引き上げられ、2028年度以降は0.44%程度になる見通しとされています。制度の動向は引き続き確認が必要です。

Q. 自営業・フリーランスは引かれますか?

国民健康保険に加入している自営業・フリーランスの方も、支援金の負担対象となります。ただし徴収方法や金額の計算方法は会社員とは異なり、市区町村の国民健康保険の保険料に含まれる形になります。


7. まとめ

この記事で学んだことを振り返ります。

2026年4月から新たに天引きが始まった:少子化対策の財源として新設された制度

月給30万円で月約690円の負担:健康保険料と一緒に天引きされる

「拠出金」とは別の制度:拠出金は企業だけが払うため明細に出なかったが、支援金は従業員も負担するため明細に現れる

使い道は児童手当・保育・育休給付など:子どもがいない人も含め、社会全体で少子化に向き合う制度

給与計算担当者はソフトのアップデートを確認:従業員からの問い合わせにも備えておく


給与明細に突然現れた「子ども・子育て支援金」。最初は戸惑うかもしれませんが、制度の背景と仕組みを知ると、少し見え方が変わるのではないでしょうか。


本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。制度は改正されることがありますので、最新情報は厚生労働省・こども家庭庁の公式サイトでご確認ください。

執筆者:給与計算ソフトのサポート担当として6年間・数千件の問い合わせ対応の経験をもとに執筆

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