会社から届いた「住民税特別徴収税額通知書」の見方を従業員向けにやさしく解説

給与明細の見方

毎年5〜6月ごろ、会社から「住民税特別徴収税額通知書」という紙が配られることがあります。

「なんか難しそうな紙が来たけど、どこを見ればいいの?」「そもそも住民税って何?」——そう感じている方に向けて、この記事では通知書の読み方と、住民税の基本的な仕組みをわかりやすく説明します。

この記事はこんな人におすすめ

  • 会社から通知書を渡されたが、どこを見ればいいかわからない
  • 住民税が何に基づいて計算されているのか知りたい
  • 6月から天引き額が変わる理由を理解したい
  • 通知書に書いてある項目の意味を知りたい

1. そもそも「住民税特別徴収税額通知書」って何?

この通知書は、市区町村が「あなたの今年度の住民税はこの金額です」と会社に知らせるための公式書類です。

会社はこの通知書を受け取ったうえで、毎月の給与から住民税を天引きします。従業員は自分で税務署や市役所に行く必要はなく、給与から自動的に引かれるしくみです。これを「特別徴収」といいます。

通知書は会社宛てに届くもので、従業員には「従業員用の控え(副本)」が配られます。法的には渡す義務はありませんが、多くの会社が交付しています。手元に届いた場合は、自分の住民税額を確認するための資料として活用できます。

2. 通知書が届く時期と、いつの収入の話なのか

ここが最も誤解されやすいポイントです。住民税は「前の年(1月〜12月)の収入」をもとに計算されます。

住民税のスケジュール(例:2026年度の場合)

時期できごと
2025年1月〜12月この期間の収入が住民税の計算のもとになる
2026年1〜3月確定申告・年末調整の結果をもとに市区町村が税額を計算
2026年5月下旬会社に「特別徴収税額通知書」が届く
2026年6月〜2027年5月毎月の給与から12分割で天引きされる

つまり、2026年6月から引かれる住民税は「2025年の収入」に対するものです。「去年より収入が増えた年」は翌年6月から税額が上がるため、「給料が増えたのに手取りが減った」と感じることがあります。

3. 通知書の見方——主な項目の意味

手元の通知書を開いてみてください。記載内容は自治体によって多少異なりますが、主な項目は共通しています。以下に代表的な欄の意味を説明します。

① 給与所得控除後の金額(所得金額)

前年の給与収入から「給与所得控除」を差し引いた後の金額です。給与所得控除とは、サラリーマンが経費のように差し引ける一定額のこと。年収が高いほど控除額も大きくなる仕組みです。

② 所得控除合計

基礎控除・扶養控除・社会保険料控除・生命保険料控除・配偶者控除などをすべて合計した金額です。ここが大きいほど、課税される金額(課税標準)が小さくなります。

③ 課税標準(課税所得)

住民税を計算する際に実際に税率をかける金額です。「所得金額 − 所得控除合計」で求められます。この金額に税率10%(都道府県民税4%+市町村民税6%)をかけた額が、住民税の基本となります。

④ 税額(年税額・月割額)

年間の住民税合計が「年税額」、それを12で割った金額が「月割額」です。給与から毎月天引きされるのはこの月割額です。年税額が12で割り切れない場合、端数は6月分に上乗せされるため、6月だけ他の月より数百円単位で高くなることがあります

⑤ 均等割

所得にかかわらず一律で課される定額の税金です。都道府県分と市区町村分を合わせて年間5,000円程度(自治体によって異なる)が加算されます。

4. 前年と税額が変わった——よくある理由

通知書を見て「去年より金額が変わっている」と気づくことがあります。主な理由は次のとおりです。

  • 前年の収入が増減した:昇給・残業増・副業・育休復帰などで収入が変わると税額も変わります。
  • 控除の内容が変わった:扶養家族の増減、生命保険の加入・解約、ふるさと納税などが影響します。
  • 入社1〜2年目は住民税ゼロの期間がある:入社した年は前年収入がないため住民税がかからず、翌年6月から初めて天引きが始まります。「2年目から手取りが減る」と感じるのはこのためです。

5. 通知書を見て「おかしい?」と思ったときの確認先

住民税の計算は市区町村が行います。通知書の税額に疑問がある場合は、以下の流れで確認しましょう。

  1. 前年の源泉徴収票と照らし合わせる:通知書の「給与収入」欄と一致しているか確認します。
  2. 市区町村の住民税担当窓口に問い合わせる:「なぜこの金額になったか」を教えてもらえます。会社の総務・人事経由でも対応可能な場合があります。
  3. 控除の申告漏れがないか確認する:生命保険料控除や扶養控除などを申告し忘れていた場合、修正申告することで税額が下がる可能性があります。

まとめ

「住民税特別徴収税額通知書」は、市区町村が計算した住民税額を会社経由で知らせてくれる書類です。難しそうに見えますが、ポイントを押さえると読めるようになります。

  • 通知書に書かれているのは「前年の収入」に基づく税額
  • 6月から翌年5月にかけて毎月の給与から12分割で天引きされる
  • 月割額・年税額・課税標準の3つを確認するだけでも十分
  • 前年と金額が変わったときは、収入や控除の変化を振り返ってみる

住民税の仕組みや6月から天引き額が変わる理由については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

6月から手取りが減った気がする…それ、住民税のせいです

※この記事の情報は2026年5月時点のものです。

この記事を書いた人

【運営者プロフィール】

▶ 2018年〜 介護系ソフトの勤怠・給与計算サポート業務
▶ 給与計算の資格を独学で取得
▶ 2022年7月〜2025年5月 給与奉行・法定調書奉行のコールセンター勤務
▶ 現在 独学で最新情報をアップデートしながら情報発信中

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