社会保険料はいつ変わる?標準報酬月額が変わる3つのタイミングと確認方法

社会保険・労働保険

10月の給料の手取りが少なくなった、または多くなったと感じることがありますよね。

基本給も手当の金額も変わらないはずなのに。

この時期に変わるものがあります。

それは社会保険料です。

社会保険料の金額はどうやって決まるのか。

今回は社会保険料の金額が決まるタイミングと、給与明細での確認方法をお伝えします。

① 社会保険料の決め方

社会保険料の特徴を理解するために、まず他の控除項目と比較してみましょう。

所得税や雇用保険料は毎月金額が違いますよね。

雇用保険料は総支給額に雇用保険料率をかけて求めます。一時的に支給される手当など対象にならないものもありますが、対象となる手当のほうが多い場合もあります。

所得税は、非課税の手当(通勤手当など)や社会保険料(雇用保険料含む)を差し引いた金額をもとに料率をかけて求めます。

どちらにも共通しているのは、その都度計算しているため、多少の変動が生じるということです。

それに対して、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料は、毎月1円単位で同じ金額が引かれます。

それは、それぞれの保険料の計算が

「”みなし月収”×保険料率」

という方式をとっているからです。

では、その「みなし月収」はどのタイミングで変わるのでしょうか。

②「みなし月収」(標準報酬月額)が変わるタイミング

「みなし月収」のことを、社会保険の制度上は標準報酬月額といいます。

この標準報酬月額が変わるタイミングは、大きく3つあります。

タイミング①:毎年10月(定時決定)

これは、全員が一斉に見直されるタイミングです。

4月から6月に支払われた給与をもとに計算され、10月(会社の締め日によっては9月になる場合もあります)から新しい保険料が反映されます。

よく「4月から6月に残業するといけない」と言われるのは、定時決定の計算対象期間が4月〜6月だからです。

ただし、業務の性質上、4月から6月に残業が集中してしまう場合は、年間平均をもとに決定する方法を申請できます。気になる方は、給与計算担当者を通じて、健康保険組合または年金機構に確認されることをお勧めします。

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タイミング②:給与が大幅に変動したとき(随時改定)

給与が大きく増えた、または大きく減った状態が3か月連続で続くと、標準報酬月額の見直しが行われます。

ただし、欠勤や休業によって給与が減った場合は対象外です。

簡単にいうと、ほぼ欠勤なしにもかかわらず、給与が明らかに大きく(目安として4〜5万円以上)変動した場合に適用されます。制度上は「2等級以上の差」が生じた場合が対象です。

変更された標準報酬月額は、給与に変動した月から数えて4か月目の給与から控除されます。

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タイミング③:産休・育休から復帰したとき(育休等終了時改定)

育休・産休明けに時短勤務などで復帰すると、給与が減ることがあります。このタイミングでも標準報酬月額の見直しが行われますが、タイミング②(随時改定)とは異なる点があります。

随時改定では「2等級以上の差」が条件になりますが、育休等終了時改定では、1等級の差でも見直しが適用されます。

もし時短勤務で復帰したにもかかわらず社会保険料が変わっていない場合は、必ず会社に確認してみてください。

ここで少し補足です。

健康保険料や介護保険料は、保険料の金額にかかわらず受けられるサービスの内容は同じです。保険料が1万円でも3万円でも、病院での治療は変わりません。

一方、厚生年金保険料は納めた金額によって、将来受け取れる年金額が変わります。

育休明けに「健康保険料が下がるのはよいけれど、厚生年金保険料が下がって将来の年金まで減るのは困る!」という方もいるのではないでしょうか。

そんな方に朗報です。

「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」を提出すると、将来の年金額を減らさずに、実際の給与に基づいた(低い)厚生年金保険料のみを納めることができます。復職のタイミングで、ぜひ会社に問い合わせてみましょう。

③ 給与明細のどこで確認できるか

給与明細は大きく「支給項目」(基本給・各種手当)と「控除項目」(給与から差し引く金額)に分かれます。

社会保険料は控除項目に含まれます。10月(場合によっては9月)や、給与が大きく変動した月の明細で、「健康保険料」「厚生年金保険料」「介護保険料」という項目を見て、社会保険料の金額が変わっていないかチェックしてみましょう。

④ まとめ

社会保険料が変わる3つのタイミングをまとめます。

タイミング名称変わる条件反映時期
① 毎年10月定時決定(算定基礎)4〜6月の給与をもとに全員一斉見直し毎年10月(場合により9月)から
② 給与が大幅に変動したとき随時改定(月額変更)給与が2等級以上変動し3か月継続した場合変動月から4か月目の給与より
③ 育休・産休から復帰したとき育休等終了時改定育休・産休復帰後に給与が1等級以上変動した場合復帰後、翌月または翌々月から

所得税に注目したニュースや記事を目にすることが多いですが、多くの会社員にとって、実は社会保険料のほうが控除される金額が多いケースが大半です。

健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料は、思っている以上に高い金額が引かれています。

特に厚生年金保険料は将来の年金額にも直結するので、ぜひ自分ごととして関心を持って確認してみてください。

この記事を書いた人

【運営者プロフィール】

▶ 2018年〜 介護系ソフトの勤怠・給与計算サポート業務
▶ 給与計算の資格を独学で取得
▶ 2022年7月〜2025年5月 給与奉行・法定調書奉行のコールセンター勤務
▶ 現在 独学で最新情報をアップデートしながら情報発信中

現場で数多くの「困った」に向き合ってきた経験をもとに、
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