「通勤手当って所得税がかかるの?」
この質問に対して、答えられる人って意外と少ないのではないでしょうか。
結論としては「通勤手当は基本的に非課税です。ただし、一定金額を超えると所得税の対象となります」です。
では一定額とはどこからかなのか。
これを知っていると、自分の給与明細を見る目が変わると思います。
転職する際にも、求人広告の見方も変わると思います。
1. 通勤手当の課税・非課税の基本的な考え方
通勤手当が非課税であるのは、所得税法において、「通勤のためにかかる費用は、本来労働者が業務を遂行するために必要な実費(経費)であり、所得(利益)とはみなされない」とされています。
いわれてみれば納得ですよね。
会社に行くのもお金がかかる(切実)。
ただし冒頭でも触れたように、いくらでも非課税にしていいよってなったら、大変なことになります。
普通列車でもいいのに、指定席を選択したり、タクシーを使用したり。
そのため、「1か月あたりの合理的な料金の額」となっています。
「合理的な料金の額」とは、通勤のための時間、距離等の事情に照らし最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤の経路及び方法による料金の額を言います。
※国税庁のHPより
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2585.htm
2. 交通機関を使う場合の非課税上限(月15万円)
まず、公共交通機関で通勤している場合は月15万円までは非課税となります。
こちらに該当する方のほうが多いのではないでしょうか。
この「月15万円」というのは「1か月あたりの数字を求めた場合」となります。
なので、6か月定期を60万円で購入した場合は、
60万円÷6か月=1か月あたり10万円、となります。
3. マイカー・自転車通勤の場合の非課税額
ではマイカー通勤の場合はどうなるのか。
こちらは距離によって非課税額が変わります。
| 片道の通勤距離 | 1か月あたりの非課税限度額 |
|---|---|
| 2キロメートル未満 | 全額課税 |
| 2km以上 10km未満 | 4,200円 |
| 10km以上 15km未満 | 7,300円 |
| 15km以上 25km未満 | 13,500円 |
| 25km以上 35km未満 | 19,700円 |
| 35km以上 45km未満 | 25,900円 |
| 45km以上 55km未満 | 32,300円 |
| 55km以上 65km未満 | 38,700円 |
| 65km以上 75km未満 | 45,700円 |
| 75km以上 85km未満 | 52,700円 |
| 85km以上 95km未満 | 59,600円 |
| 95キロメートル以上 | 66,400円 |
※国税庁「No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当」(令和8年4月1日現在)より
ここで一例として挙げてみます。
【例1】片道12kmで通勤している場合
表を確認すると、片道10km以上15km未満の区分に該当し、非課税限度額は月7,300円となります。
会社から月1万円の通勤手当が支給されていた場合、
10,000円 − 7,300円 = 2,700円が課税対象
となります。
【例2】片道3kmで通勤している場合
片道2km以上10km未満の区分に該当し、非課税限度額は月4,200円です。
【注意】片道2km未満の場合
片道の通勤距離が2km未満の場合は、全額が課税対象となります。
「近いから自転車で通っている」という方は、距離を一度確認してみてください。
また、通勤距離はGoogle マップなどで自宅から会社までの距離を調べると確認できます。
公共交通機関とマイカー通勤を併用している場合はどうなるか。
この場合はマイカー通勤分の金額と公共交通機関の金額を合算して、1か月あたり15万円までが限度になります。
4. 上限を超えた場合はどうなる?
公共交通機関又はマイカー通勤、それぞれの非課税額を説明しましたが、その限度額を超えた場合はどうなるのか。
超えた部分に関しては課税対象となります。所得税または住民税の計算の対象になります。
一例として、少し具体的に見てみましょう。
【例】月20万円の通勤手当が支給された場合(公共交通機関利用)
非課税上限の15万円を超えた分の5万円が課税対象となります。
200,000円 − 150,000円 = 50,000円(課税対象額)
この5万円が毎月給与に上乗せされて所得税・住民税の計算に使われるイメージです。
年間に換算すると、
50,000円 × 12か月 = 年60万円分の課税所得が増える
ことになります。
所得税率が10%の方であれば、年間で約6万円ほど税負担が増える計算になります。
「通勤手当が多いから手取りが増える」と単純には言えない部分があるので、上限を超えているかどうかは確認しておくといいでしょう。
※所得税率は収入によって変わります。
5. 社会保険料との違いに注意
ここまでは、非課税になるかどうかという点において話をしてきました。つまり税金の計算に含まれるかどうかという事です。
しかし、給与では、税金(所得税)以外にも控除されているものがありますよね。そうです、社会保険料です。
社会保険料の計算では、所得税と異なり、通勤手当も標準報酬月額に含まれます。
少し具体的に見てみましょう。
【例】基本給25万円+通勤手当3万円が支給されている場合
所得税の計算では、通勤手当3万円は非課税のため、基本給25万円のみが課税対象の給与として扱われます。
一方、社会保険料の計算では、
基本給25万円+通勤手当3万円=報酬月額28万円として標準報酬月額が決まります。
つまり、所得税は「25万円をもとに計算」されるのに対し、社会保険料は「28万円をもとに計算」される、ということです。
通勤手当が多い方ほど、この差は大きくなります。
「所得税では非課税なのに、社会保険料はしっかりかかっている」という点は、給与計算の中でも意外と見落とされやすいポイントです。
給与明細を見る際は、税金と社会保険料は別の計算ルールが適用されているということを、頭の片隅に置いておくといいでしょう。
関連記事:【算定基礎(定時決定)とは?給与計算担当者が知っておきたい基本の流れ】
6. 給与明細で確認するポイント
自分の通勤手当が非課税の枠に収まっているかどうかを確認する方法として、給与明細を見てほしいと思います。
会社によってですが、非課税通勤手当と課税通勤手当と枠を分けているケースがあります。まずは通勤手当の項目がどうなっているかを見てほしいと思います。
公共交通機関の方は金額を見て、1か月あたりの金額が15万円に収まっているかを見てほしいです。
ただマイカー通勤の方で通勤手当が一項目にまとまっている場合は、担当部署の方に確認するのもよいかと思います。
関連記事:【給与明細の見方を完全解説|手取りが少ない理由と控除の仕組みをわかりやすく解説】
まとめ
フローチャートにまとめてみました。
15万円以内?
以内なら非課税 ✅
がかかるの?」
この質問に対して、答えられる人って意外と少ないのではないでしょうか。
結論としては「通勤手当は基本的に非課税です。ただし、一定金額を超えると所得税の対象となります」です。
では一定額とはどこからかなのか。
これを知っていると、自分の給与明細を見る目が変わると思います。
転職する際にも、求人広告の見方も変わると思います。
1. 通勤手当の課税・非課税の基本的な考え方
通勤手当が非課税であるのは、所得税法において、「通勤のためにかかる費用は、本来労働者が業務を遂行するために必要な実費(経費)であり、所得(利益)とはみなされない」とされています。
いわれてみれば納得ですよね。
会社に行くのもお金がかかる(切実)。
ただし冒頭でも触れたように、いくらでも非課税にしていいよってなったら、大変なことになります。
普通列車でもいいのに、指定席を選択したり、タクシーを使用したり。
そのため、「1か月あたりの合理的な料金の額」となっています。
「合理的な料金の額」とは、通勤のための時間、距離等の事情に照らし最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤の経路及び方法による料金の額を言います。
※国税庁のHPより
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2585.htm
2. 交通機関を使う場合の非課税上限(月15万円)
まず、公共交通機関で通勤している場合は月15万円までは非課税となります。
こちらに該当する方のほうが多いのではないでしょうか。
この「月15万円」というのは「1か月あたりの数字を求めた場合」となります。
なので、6か月定期を60万円で購入した場合は、
60万円÷6か月=1か月あたり10万円、となります。
3. マイカー・自転車通勤の場合の非課税額
ではマイカー通勤の場合はどうなるのか。
こちらは距離によって非課税額が変わります。
| 片道の通勤距離 | 1か月あたりの非課税限度額 |
|---|---|
| 2キロメートル未満 | 全額課税 |
| 2km以上 10km未満 | 4,200円 |
| 10km以上 15km未満 | 7,300円 |
| 15km以上 25km未満 | 13,500円 |
| 25km以上 35km未満 | 19,700円 |
| 35km以上 45km未満 | 25,900円 |
| 45km以上 55km未満 | 32,300円 |
| 55km以上 65km未満 | 38,700円 |
| 65km以上 75km未満 | 45,700円 |
| 75km以上 85km未満 | 52,700円 |
| 85km以上 95km未満 | 59,600円 |
| 95キロメートル以上 | 66,400円 |
※国税庁「No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当」(令和8年4月1日現在)より
ここで一例として挙げてみます。
【例1】片道12kmで通勤している場合
表を確認すると、片道10km以上15km未満の区分に該当し、非課税限度額は月7,300円となります。
会社から月1万円の通勤手当が支給されていた場合、
10,000円 − 7,300円 = 2,700円が課税対象
となります。
【例2】片道3kmで通勤している場合
片道2km以上10km未満の区分に該当し、非課税限度額は月4,200円です。
【注意】片道2km未満の場合
片道の通勤距離が2km未満の場合は、全額が課税対象となります。
「近いから自転車で通っている」という方は、距離を一度確認してみてください。
また、通勤距離はGoogle マップなどで自宅から会社までの距離を調べると確認できます。
公共交通機関とマイカー通勤を併用している場合はどうなるか。
この場合はマイカー通勤分の金額と公共交通機関の金額を合算して、1か月あたり15万円までが限度になります。
4. 上限を超えた場合はどうなる?
公共交通機関又はマイカー通勤、それぞれの非課税額を説明しましたが、その限度額を超えた場合はどうなるのか。
超えた部分に関しては課税対象となります。所得税または住民税の計算の対象になります。
一例として、少し具体的に見てみましょう。
【例】月20万円の通勤手当が支給された場合(公共交通機関利用)
非課税上限の15万円を超えた分の5万円が課税対象となります。
200,000円 − 150,000円 = 50,000円(課税対象額)
この5万円が毎月給与に上乗せされて所得税・住民税の計算に使われるイメージです。
年間に換算すると、
50,000円 × 12か月 = 年60万円分の課税所得が増える
ことになります。
所得税率が10%の方であれば、年間で約6万円ほど税負担が増える計算になります。
「通勤手当が多いから手取りが増える」と単純には言えない部分があるので、上限を超えているかどうかは確認しておくといいでしょう。
※所得税率は収入によって変わります。
5. 社会保険料との違いに注意
ここまでは、非課税になるかどうかという点において話をしてきました。つまり税金の計算に含まれるかどうかという事です。
しかし、給与では、税金(所得税)以外にも控除されているものがありますよね。そうです、社会保険料です。
社会保険料の計算では、所得税と異なり、通勤手当も標準報酬月額に含まれます。
少し具体的に見てみましょう。
【例】基本給25万円+通勤手当3万円が支給されている場合
所得税の計算では、通勤手当3万円は非課税のため、基本給25万円のみが課税対象の給与として扱われます。
一方、社会保険料の計算では、
基本給25万円+通勤手当3万円=報酬月額28万円として標準報酬月額が決まります。
つまり、所得税は「25万円をもとに計算」されるのに対し、社会保険料は「28万円をもとに計算」される、ということです。
通勤手当が多い方ほど、この差は大きくなります。
「所得税では非課税なのに、社会保険料はしっかりかかっている」という点は、給与計算の中でも意外と見落とされやすいポイントです。
給与明細を見る際は、税金と社会保険料は別の計算ルールが適用されているということを、頭の片隅に置いておくといいでしょう。
関連記事:【算定基礎(定時決定)とは?給与計算担当者が知っておきたい基本の流れ】
6. 給与明細で確認するポイント
自分の通勤手当が非課税の枠に収まっているかどうかを確認する方法として、給与明細を見てほしいと思います。
会社によってですが、非課税通勤手当と課税通勤手当と枠を分けているケースがあります。まずは通勤手当の項目がどうなっているかを見てほしいと思います。
公共交通機関の方は金額を見て、1か月あたりの金額が15万円に収まっているかを見てほしいです。
ただマイカー通勤の方で通勤手当が一項目にまとまっている場合は、担当部署の方に確認するのもよいかと思います。
関連記事:【給与明細の見方を完全解説|手取りが少ない理由と控除の仕組みをわかりやすく解説】
まとめ
フローチャートにまとめてみました。
15万円以内?
以内なら非課税 ✅
「通勤手当」と一言で言っても意外にいろいろあります。
特にマイカー通勤は一律で決めることが難しいので、複雑に見えると思いますが、距離を確認して自分に当てはまるところを確認しましょう。




コメント